http://www.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20070611-211559.html

古田今季限り引退、監督に専念

ヤクルト古田敦也兼任監督(41)が10日、
自ら出場選手登録を抹消し、事実上の選手引退を決断した。
兼任監督2年目で初めての抹消で、今季は持病の右肩痛もあって、
出場はわずか2試合にとどまっていた。

最下位に低迷するチーム事情もあり、
若手育成などチームを底上げする必要性に迫られての判断で今後は監督に専念する。
再昇格の可能性も残すものの、今季限りで選手生活にピリオドを打つ。

重い決断だった。古田兼任監督が「オレ」を抹消した。
5年目の大原内野手を昇格させた代わりに、監督就任以来、初めて自らの降格措置をとった。
「オレが外れました。一番、試合に出ていないから。内野手を1人上げたかった」。
表情だけはいつもと変わらぬ笑顔で、抹消した理由を淡々と説明した。

昨年痛めた右肩は万全ではない。
この日、状態を問われると「細かいことは置いておいて」と多くを語らなかった。
今季の出場は、開幕戦と通算2000試合を決めた4月19日横浜戦で
先発マスクをかぶっただけで5打数無安打。
横浜戦では暴言により退場処分を受けたが、暴投、捕逸など、らしからぬミスも目立った。
試合から離れているブランクを感じさせて以来、指揮に専念していた。

投手陣が崩れるケースが多く、最下位に低迷するチーム状況から、
コーチ陣や球団フロントからも再三にわたって出場の打診を受けた。
だが捕手どころか、昨年話題を集めた「代打・オレ」で出場することも1度もなかった。
そして9日、松山で日本ハムの15連勝を阻止した試合後のコーチ会議で抹消の考えを初めて明かした。

1軍の出場選手登録枠は28人。出場しない自らを抹消しようと思えば、いつでもできた。
チーム事情が、ついに背中を押した。9日に主将の宮本が古傷の左ふくらはぎを痛めた。
数試合を欠場する見込みで、当面の内野手が不足。捕手は福川、米野、小野と4人もいる。
何かあった時の場合に置いておくにしても、人数は足りている。
自らを犠牲にし、若手にチャンスを与える選択をした。

抹消から10日以降にできる再登録については「可能性はある。練習には入れてもらいます」と話した。
最下位のチームにあって、体調も万全でない状態で、
今後選手として出場するかどうかといえば疑問符がつく。
岩村の抜けた穴は思うようにうまらず、「ポスト古田」を筆頭に若手育成など多くの課題もある。

球界を代表する名捕手も、8月で42歳。
肉体の衰えについては「年々どころか日に日に感じてます」と漏らしていた。
関係者の話を総合すると、選手としては今季限りという決意を固めているという。
この強い意志が根底にあり、選手としての古田を、現場監督が必要ないと判断した。
自らへの戦力外通告は、苦渋の決断だった。



http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20070611-OHT1T00076.htm

古田2軍「俺が外れる」…引退ピンチ!苦渋の決断で監督専任

ヤクルト・古田敦也兼任監督(41)が10日、出場選手登録を外れた。
内野手補充のため、自分自身が“入れ替え要員”となった。
指揮官は編成上の問題であることを強調し、再登録が可能な10日後以降の1軍復帰を示唆した。
しかし、昨年から痛めている右肩の状態は思わしくなく、ここまでの出場は2試合。
戦力になっておらず、今後の劇的な回復も期待しにくい状況から、現役引退の危機も迫ってきた。

古田の登録抹消は左太もも裏肉離れを起こした05年8月19日以来。
この時は9月13日に再登録されており、兼任監督となってからの"2軍落ち"は初めてのことだ。
「内野手が欲しかった。俺が一番、試合に出ていないから」と
チーム状況を優先したことを強調した指揮官だが、
関係者が「右肩が相当、悪いと聞いている」というように、
自身の体調が要因となっていることは否定できない。

大木チーム運営部長は「チーム状況を優先した問題。(去就など)特別な話はしていない」と説明し
「契約している以上、選手としてまだ期待している」と続けた。
宮本の回復次第で1軍復帰の可能性もあるが、戦力としてベンチ入りするからには、
試合に出場して結果を出すことが求められる。

2000試合出場を達成した4月19日の横浜戦(神宮)以降、出場機会すらない捕手・古田。
兼任監督が出場選手登録を抹消されるのは、過去にも例がなく、兼任監督に大きな試練の時が訪れた。